【辞書をめくる】ヴィオラはドイツ語で「腕のヴィオラ」だった?Bratscheの語源をたどる

ドイツ語

突然ですが、私、ヴィオラの演奏を聴くのが好きで、演奏家のインタビューを見るのも好きです。

そんなある日、ドイツ人ヴィオラ奏者のインタビューを見ていたとき、「あれ? 一向に”ヴィオラ”らしい発音が聞こえてこないな」と思いました。

そこで調べてみたところ、ドイツ語ではヴィオラを Bratsche と呼ぶことがわかりました。

女性名詞なので、定冠詞を付けると die Bratsche になります。

 

Dudenには、次のように説明されています。

Streichinstrument, das etwas größer ist als eine Violine und eine Quinte tiefer als diese gestimmt ist.

AIに訳してもらうと、

「ヴァイオリンより少し大きく、ヴァイオリンより完全5度低く調弦された擦弦楽器」

という意味になります。

なるほど。

……よくわからないけれど、そういう楽器なんですね。

ちなみに、類義語には Viola も載っていました。

日本では、「ヴィオラ」という呼び方の方が圧倒的になじみがありますよね。

 

私が面白いと思ったのは語源です。

Dudenによると、BratscheBratschgeige の短縮形。

後半の -geige は、Geige(ヴァイオリン) を指しています。

さらにさかのぼると、イタリア語の viola da braccio に由来するとあります。

braccio は「腕」という意味です。

「腕で弾くヴィオラ」という意味になるのでしょうか。

Dudenには、古い言い方として Armgeige(腕のヴァイオリン) という単語も載っていました。

……なんだか、わかるような、わからないような。

語源をたどっていくうちに、「Viola」が途中で消えてしまったんですね。

 

そうなると、今度は別の疑問も浮かんできます。

「ヴァイオリン」を意味するドイツ語Geigeの語源は?

「チェロ」は?「コントラバス」は?

調べたいことは次々に出てきますが、今日はここで終わりにします。

 

そして、この Bratsche という単語を見るたびに、私が思い浮かべるヴィオラ奏者が一人います。

その方については、また今度、寄り道してみようと思います。

 

参考資料

  • Duden Online「Bratsche」
タイトルとURLをコピーしました