【オーストリアのドイツ語】1月はJanuarじゃない? モーツァルト生家で見つけた「Jänner」

ドイツ語

私が使っているドイツ語の教材には、テーマごとに小さなコラムが載っています。

今回のテーマは「モーツァルトとイタリア音楽」。

ウィーンのカフェで、学生二人がこんな会話をしています。

Wo warst du denn gestern Abend?
(昨日の夜はどこにいたの?)

Ich war in der Staatsoper.
(国立歌劇場にいました)

どうやら一人はウィーン国立歌劇場で Figaros Hochzeit(フィガロの結婚)を観てきたようです。

なんともウィーンらしい会話であります。

 

コラムには、ザルツブルクにあるモーツァルト生家の写真も載っていました。

先生が解説してくれたのは、モーツァルトの生年月日が書かれた銘板にある wurde geboren という表現。

ところが、私が見ていたのはそこではありませんでした。

銘板には、以下の文言がありました。

IN DIESEM HAUSE WURDE
W. A. MOZART AM
27. JÄNNER 1756 GEBOREN.

(この家で1756年1月27日にW. A.モーツァルトは生まれた)

……JÄNNER

1月って Januar じゃなかったっけ。

古い言い方なのだろうか。

気になったので、ドイツ語辞典Dudenを引いてみました。

すると、Jännerの意味は「Januar」、つまり1月。用法については、以下の通り。

österreichisch, seltener süddeutsch
(オーストリア、まれに南ドイツで使われる)

なるほど。モーツァルト生家があるのはオーストリアのザルツブルク。Dudenの説明とも一致します。

しかも、Jännerそのものには「古語」を示す veraltet の表示がありません。

 

では、今でも使うのでしょうか。

オーストリア議会の2026年の資料にも Jänner が使われていました。

在オーストリア日本国大使館の2026年1月のイベント情報を見ると、やはり日付には Jänner が並んでいます。

さらに、冒頭にも登場したウィーン国立歌劇場のホームページを見てみると、2027年1月の予定にも 15. Jänner、16. Jänner、23. Jänner

バリバリ現役の言葉でございました。

 

ここまで来ると、少し嫌な予感がします。

ほかの月も違うのでしょうか。

Dudenを確認してみると、今回調べた範囲では、オーストリアで使われる別の形として出てきたのは、1月の Jänner のほか、2月の Feber

3月以降には、同じような別の月名は見当たりませんでした。

……よかった。

先生が解説してくれたのは、Wo warst du …? や werden + geboren といった表現でした。

でも、私の視線の先にあったのは、Jännerでした。

多分、教材を制作した側も「そこ拾われても……」と思っているかもしれません。

 

出典・参考資料

  • Duden Online「Jänner」、「Feber」、および各月名項目
  • Parliament Austria「Budgetvollzug Jänner 2026」
  • 在オーストリア日本国大使館「2026年1月のイベント」
  • Wiener Staatsoper「Ballettakademie」
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