最近よく視聴しているドイツ人YouTuberさんがいます。
その名は「デイリー・マーカス」さん。ドイツ在住で、日本語を勉強してまだ15か月とは思えないほど流暢な日本語で、「ドイツの日常を日本へ」をテーマに配信されています。
先日、そのマーカスさんがショート動画で紹介していたのが、キッコーマンのお醤油でした。
「今ではドイツのスーパーでも普通に買える」とのこと。
その一言を聞いて、「輸出しているのかな。それとも現地生産なのかな」と気になり、キッコーマンの公式ホームページを調べてみました。すると、想像以上の歴史がありました。
キッコーマンは1950年代にアメリカへ本格進出し、1970年代にはヨーロッパ、1980年代にはアジアへと展開。近年では南米にも展開しています。
最初の海外展開先となったアメリカでは、日本料理を紹介するのではなく、肉と醤油の相性の良さを前面に打ち出していったそうです。
私もステーキを食べるときは、ちょろっと醤油をかけるのが好きです。香ばしく焼き上げた肉と醤油の組み合わせって、なんであんなに美味しいんでしょうね。
そして1973年、ヨーロッパ進出の第一歩として、ドイツ西部デュッセルドルフに鉄板焼きレストラン「DAITOKAI」をオープン。味だけでなく、香りや調理風景も含めて、醤油の魅力を伝えようとしました。
その後、1979年には販売会社を設立。この頃には西ドイツの大手スーパーの約65%がキッコーマンを取り扱っていたそうです。思っていたより、ずっと早い…!
1997年にはオランダにヨーロッパ初の工場が完成し、現地生産体制が整えられました。
こうした半世紀以上にわたる取り組みがあったからこそ、今ではドイツのスーパーでも当たり前のようにキッコーマンのお醤油が並んでいるのでしょう。
ちなみに、醤油はドイツ語で Sojasoße(Sojasauce)といいます。
ドイツ語辞典Dudenでは、
würzige, salzige oder süße Soße aus vergorenen Sojabohnen
(発酵させた大豆から作られた、風味があり、塩味または甘味のあるソース)
と説明されています。
「しょっぱい」より先に「風味がある(würzig)」と書かれているのが少し嬉しいですね。
50年前、西ドイツの人々に醤油の味を知ってもらおうと、デュッセルドルフにレストランを開いたキッコーマン。
半世紀後の今、SojasoßeはDudenにも載るドイツ語になり、ドイツのスーパーにはキッコーマンの醤油が並んでいます。
「現地で作っているのかな?」という小さな疑問から始まった今回の調査。気が付けば、醤油がヨーロッパへ渡った半世紀の歴史をたどることになりました。
出典・参考資料
- キッコーマン株式会社「世界に広がるキッコーマンしょうゆ」
- キッコーマン株式会社「KIKKOMANのおいしい挑戦~アメリカ進出50周年~ シェフも評価 ヨーロッパへおいしさ広がる」
- Duden Online「Sojasoße」

