高校時代、英語の先生が言っていた言葉があります。
「証拠はこの海老でんす、ハハハ!」
証拠を意味する英単語「エビデンス(evidence)」と「海老でんす(海老です)」をかけていたのでしょう。
先生本人はそう説明していませんでしたが、きっとそうなのでしょう。
親父ギャグに弱い私は、下を向いて笑いをこらえていたものです。
そのおかげで、evidence=証拠は今でも覚えています。
その後、社会人になってから、上司に「それ、エビデンスは?」と言われることがありました。
周囲からは「日本語で言えばいいのに」という声も聞こえてきましたが、私は高校時代の先生を思い出して、また下を向いていました。
そして現在。ドイツ語を勉強していて、ふと思いました。
英語はevidence。では、ドイツ語にも似た単語があるのでしょうか。
「証拠」に当たるドイツ語として、私がまず思い浮かべたのは Beweis です。
調べてみると、英語の evidence とよく似た Evidenz という単語もあるらしい。
そこで、いつもお世話になっているドイツ語辞典Duden onlineを引いてみました。
まず目に留まったのは、次のような意味です。
- 「明白であること」、「明瞭さ」、「確実性」などに関わる意味
- 医学・薬学では、薬や治療法などの有効性について実証的に得られた裏付け
後者の語義について、Dudenは英語 evidence に由来するとしています。
どうやら英語 evidence とドイツ語 Evidenz は、よく似ていますが、単純に一対一で対応するわけではないようです。
さらに読み進めて驚いたのが、経済分野で使われる Evidenz です。
在庫状況を、入出庫も含めて一覧にしたものを指す用法もあるようです。
ここで昔の仕事を思い出しました。
私は以前勤めていた会社で、部品在庫の入出庫データを扱っていました。
しかも、その記録を監査の際に、先述の上司からの指示を受けて「エビデンス」として提出していました。
英語の evidence からドイツ語の Evidenz を調べていたら、昔「エビデンス」として提出していた在庫記録に近い意味まで出てきました……なんか頭が混乱してきた。
高校時代には、笑いをこらえながら覚えた evidence。
社会人になってからは、仕事で使っていた「エビデンス」。
そして今度は、ドイツ語の Evidenz。
私が扱っていたデータそのものをドイツ語で Evidenz と表現するのかはわかりませんが、Dudenの説明を読んで、ずいぶん身近な意味にも思えてきました。
同じような言葉を追いかけていたら、昔の記憶や仕事までつながってしまいました。
ちなみに、友人に「海老でんす」の話をしたら、友人の先生もそう教えていたとのこと。
友人はくすりとも笑っていませんでした。
出典・参考資料
- Duden Online「Evidenz」
